『接吻』
コロナ前は観たい画家の展覧会があったら国内ならどこへでも行っていた。
こだわりが強いから、好きな画家もそんなにいないし、
芸術が好きな人にとっては、美術館によく行きます、と公言されたりされたくないレベルかもしれないけれど。
美術館に行ったら必ずその展覧会の図録を買う。
でも、一通り目を通したらあまり開かない。
本物を見てしまっている以上、それ以上の気持ちにならないからだ。
じゃあなぜ買うのか。
行った記念、コレクションの位置付けなのだろうと思う。
コロナの状況になって、あまり遠出ができなくなったことや、
美術館や博物館の休業、展覧会の延期などで美術館から遠ざかってしまった。
渇望というまではいかないが、
絵画を見た瞬間の心の欲動が恋しくはなっている。
こんな時に、買った図録が図らずしも慰めになっているような気もしている。
コロナでなんとなく気持ちの落ち込みが三倍増しな今日。
絵は、頑張ろう、という気持ちにさせるわけではないが、
月並みな言い方だが、心が穏やかになる。
(絵にもよるけれど)
まだ、私が本物を見たいと思っている絵画は見れていない。
早く見れる状況になって欲しいと思う。